Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.88

この一枚を聞け! [YOU CAN'T ARGUE WITH A SICK MIND / JOE WALSH]



 ジョー・ウォルシュって誰? って言う方もいるかもしれませんが、私に言わせればメチャクチャにレジェンダリーなギタリストの一人でございます。今回はそのジョー・ウォルシュが76年に発売したライブアルバム「YOU CAN'T ARGUE WITH A SICK MIND」をご紹介したしましょう。

 69年にジョーはハードロックバンド、ジェイムス・ギャングを結成。70年初期にバンドを脱退後はソロとして活動を続けていた。74年に発売されたソロアルバムにイーグルスのグレン・フライやドン・ヘンリー等が参加。この当たりからイーグルスとの友好が出来たと思われる。そして75年にイーグルスに転機が訪れる。オリジナルメンバーであったギタリスト、バーニー・リードンが脱退してしまう。そのイーグルスの後任ギタリストに抜擢されたのがジョー・ウォルシュなのである。

 録音時期は75年であることからこのアルバムにはイーグルスのほとんどのメンバーが参加している。ギターにはドン・フェルダー、コーラスにグレン・フライとドン・ヘンリーと正にイーグルスそのもの。しかもベースにはあのダニー・ハサウェイ等もサポートしていたウイリー・ウィークスが参加しているのだ。この豪華なメンバーで奏でられている音はホント最高なんです。

 特に3曲めの”Rocky Mountain Way ”では当時初めて、私は「トークボックス」なるエフェクターの音を聞きました。最近ではBON JOVIの”Livin' On A Prayer”の冒頭でワウワウいっているアノ音です。有名になったのはBON JOVIかもしれませんが、ジョーのこの曲が正に最初といっても過言ではないのです。わたしもこのエフェクトを試した事がありますが、ヨダレが大変出てしまうのです。汚くてスイマセン! 上手く説明が出来ませんが仕組みはアンプから出る音をそのままビニールチューブの中で出す形にし、それを口にくわえます。ようはギターの音を口の中で出すようにして、その音をヴォーカルマイクで拾うというシステムなんです。凄い!! わからない方はイシバシの店頭まで(笑)

 冒頭に申したように何でジョーがレジェンダリーかというと、イーグルスの超有名曲”Hotel California ”の後奏のあのギターフレーズはドン・フェルダーとジョーが弾いているからなんです。30代以上の方は”そんな事知ってるわ〜”と思うかもしれませんが、20代の方は生まれてもいないんですから無理もありません!

 そしてこのアルバムの凄さはそのギターユニゾンの原点はこの頃から作られた物だと言いたいのです。最近録音されているライブ盤と比べると確かに荒さも目立ちます。しかし、スリリングさがこのアルバムにはタップリとあるのです。

 さらに2011年、イーグルスが来日するではありませんか! 1曲目は間違いなくアノ曲です。イントロが流れた途端、サブイボ確実です。レジェンダリーなバンドは見ておいた方が良いです。次は無いかもしれませんよ、いろんな意味で(笑)。とにかくこの1枚を聞け!

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