Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.80

デューク工藤の【ギブソンエレキ座談】第3回

【Gibson Byrdland Sunburst 1968年製】




 今回ご紹介するのは1968年製のバードランド。L-5をベースにボディーの大きさは17インチと同じですがスケールは23 1/2インチ・スケールと短めです。

 バードランドが発売されたのは1955年で、その当時スタジオミュージシャンで活躍していたビリー・バードとハンク・ガーランドの名を取ったモデルです。

 発売当初はレスポール同様、P-90のシングル・ピックアップでしたが、1957年よりハムバッカーピックアップに変更されます。そして1960年代に入りますとカッタウエイが尖ったポインテッド仕様になり1968年までこの仕様は続きます。

 バードランドの特徴は”ショートスケール”の設計にありますが、その分ネックもかなり細く弦の間隔も狭くなっております。そのためピックアップの弦間は通常のレス・ポール、L-5などは0.4インチですがバードランドとES-350は0.36インチと狭く設計されています。

 ボディはシンボディのスプルース・トップ、メイプル・サイドバックで外周には7プライの豪華なバインディングが施されています。スイッチ・コントロール部にはスイッチとボディの間に挟むラバーの特別な物が取り付けられており、これはスイッチングノイズを防ぐために開発されたと言われています。

 ヘッドには最高機種モデルに採用されるトーチ・インレイが施され、素材は”メキシコアワビ”を使用し、松明が火をともす様を上手く表現しています。外周には5プライのバインディングが施され、ヘッドは5プライの板が90度杢目をずらしながら張り合わせてあり、見た目だけでなく強度面も工夫がみられます。最後に張られた一枚がよくヘッド折れ修理の痕ではと間違われやすいですがこれが本物の証です。

 ネックはエボニー指板にポジション・マークに白蝶貝のブロック・インレイが施され摩擦に強く段差が出来にくく、ウォルナットとフレイム・メイプルの5ピースの構造は太めなゲージを張っても大丈夫なように厳選された見事な材と構造になっています。バインデングは5プライで指板サイドのエッジも滑らかに処理され、握り心地も最高です。まさに職人技で新品のギターでは味わえない感覚です。

 サウンドはデビット・T・ウォーカーのように絶妙なバッキングがはまり、ファンクにグルーヴし、ショート・スケールならではの甘いトーンも奏でられ、歌モノに相性が良い感じです。これで華麗なオブリガードとリズムギターを歌に合わせて弾いたら最高です。また、ハードに弾きたい方はテッド・ニュージェントのようにゴンゾーなサウンドを奏でるのもいいでしょう!その前に練習も必要ですが、このギターを手に入れれば毎日弾きたくなること間違いありません。やっぱギブソン!!

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<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。