Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.78

デューク工藤の【ギブソンエレキ座談】第1回




 遂に始まりました!デューク工藤のギブソンエレキ座談。ギブソンギターのウンチクをガッツリと話していきたいと思います。

 その記念すべき一本目を飾るのは今話題のJimmy Page Number Two 1959 Pageburst!! Aged/Signed、 Aged、 V.O.S.の三種類が製作され、今回はV.O.S.(Vintage Original Spec)仕様をご紹介いたします。

 ジョー・ウォルシュから入手したといわれる1959年製のレス・ポール、通称№2は№1のスペアとして使用されてきました。№2の最大のポイントはなんと言っても多彩なサウンド・ヴァリエーションでしょう。その秘密は複雑なコントロール・サーキットの改造にあります。4つのポットとピックガード下に隠れているプッシュスイッチを組み合わせた特殊配線によりレス・ポールサウンドの可能性を広げています。

 まずは通常ボリューム・コントロール部として使用されているポットはそれぞれのピックアップのSeries/Parallel配線で引っ張ると並列配線になり、パワーが少し下がりエッジが立ってきます。次にトーン・コントロール部として使用されているポットはそれぞれのピックアップのPU Tone Coil Split配線で引っ張るとシングルコイル(外側のポールピースがシングル)配線になります。

 最後にピックガード下に隠れた2の謎のプッシュスイッチは上がSeries/Parallel,下がPhase Reversal Switchでトグルスイッチ・ポジションがミドル時のみ機能し、Series/Parallelを上げるとワウの半止め状態のようなサウンドになり、その状態でさらにPhase Reversal Switchを上げると特殊配線の中で最も最大のパワーになりアンプが悲鳴を上げます。ここまでスイッチが多いともう感覚的に選択するしかないでしょう。(本人は全部理解しているのでしょうか?!・・・)

 改造するにあたり当初ボディに穴をあけてスイッチを増設する予定であったが、ヴィンテージ・レス・ポールの価値を考えてピックガードの下にプッシュスイッチを増設したと言われています。

 その他ペグがクルーソンからグローバーペグのニッケルメッキに、テイルピースがクロームメッキに、ストラップピンはシャーラー・ストラップ・ロックに交換され、まさに細かい箇所まで再現されています。

 特筆すべき点はピックアップ! ジミー・ペイジ・モデルのためにワイヤリングされた”Jimmy Page BurstBucker”が搭載されています。(しかも未販売!)ネックはかなり薄く削られ細く、1フレット部の厚みで約21mmで12フレット部の厚みは約22mmと全体的に薄く削られています。(現行の1959リイシューモデルは1フレット部の厚みで約23mmで12フレット部の厚みは約26mmですのでかなり薄いです。)

ゲージは009-.042 stringsでセッティングされ、マーシャルアンプからでるサウンドはまさにジミー・ペイジサウンドです!! ライブアルバム「永遠の詩」にあわせて弾けば完璧です。やっぱギブソン!

仕様


BODY & HARDWARE
2 piece figured maple top, 1piece mahogany back, Single-ply cream binding on top
Aged nickel hardware, Stop-bar tailpiece & ABR-1 bridge, Schaller strap locks

NECK & HEADSTOCK
1 piece mahogany neck, 22 fret rosewood fingerboard, Aged acrylic trapezoid
inlays Page“Number Two” neck profile, 24 3/4 scale length, 1 11/16” nut width

ELECTRONICS
Jimmy Page BurstBucker w/cover (R)
Jimmy Page ”Number Two” Bucker w/black bobbins (T)
2 Push/pull volume Controls, 2 Push pull tone Controls, 3-way selector switch,
& 2 Push Button switches underneath pickguard
String gage .009-.042 strings

FINISH
Page Burst “Number Two” V.O.S.

<お問い合わせ>


石橋楽器 池袋店
TEL 03-3980-1484
ikebukuro@ishibashi.co.jp





<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。