Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.75

American Sound History [Gibson L-5CES Sunburst 1968年製]


 1951年に発表されたエレクトリックバージョンのL-5 は、スーパー400 と並びギブソンのアーチトップギターを代表するフラッグシップモデルです。

 この時期のL-5は17インチ幅のボディサイズ。18インチのSuper 400に比べてやや小ぶりなデザインで取り回しがよく、単板を削り出したソリッド・カーブド・スプルーストップ、メイプルによるサイド・バックというスタイルは、ジャズギターのスタンダードを築きました。ウェス・モンゴメリーらに愛用されてきたことも有名です。

 マルチバインディング、エボニーフィンガーボード、ブロックインレイ、ゴールドハードウェアなど、一見するからにゴージャスな仕様のギターです。

 もともと1951年当時のL-5には、ローズウッドのブリッジとドッグイヤー「P-90」ピックアップが搭載されていました。その後1958年頃までにはレスポールモデル同様、ブリッジがオクターブチューニング可能なABRへと変更され、ピックアップも”セス・ラヴァー”の開発したオリジナル・ハムバッキングピックアップを装備したモデルとなります。

 1960年代に入ると先の尖った、フローレンタイン・カッタウェイ(ポインテッド・カッタウェイ)が採用されますが、68-69年にかけて再びヴェネチアン・カッタウェイ(ラウンデッド・カッタウェイ)へと戻っていきます。

 今回入荷の一本はカッタウェイが丸みを帯びたデザインに変更になった時期のもので、ピックアップはデカールにパテントナンバーが記載された”ステッカー・ナンバードPAF”と呼ばれるものです。
この頃までのギブソンは本当に良い音をしています。不自然な堅さがなく、弾き手がイメージしたとおりの音色を汲み取って奏でてくれるような感触でしょうか、とことんタッチニュアンスに素直なトーンで、ギブソンならではの素晴らしい深みのあるトーンが楽しめます。

 ボディサイドやヘッドの角に数箇所タッチアップがございますが、ワンオーナーものでコンディションは良好。ナット、フレット、サドルなどの消耗品はきちんと交換されており、すぐに弾ける状態になっております。
やや赤みの強いサンバーストが特徴的で、ハイグレードなフィギュアドメイプルが映える一本。さすがに本物の貫禄が抜群ですね。オ〜アメリカン!


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石橋楽器 池袋店
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<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。