Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.69

この一枚を聞け! [BACKLASH / BAD ENGLISH]



 80年代空前のヒットを飛ばしたアメリカンハードロックバンドの代表格、ジャーニーは86年に遂にメンバーが3人になってしまった。ドラムのスティーブ・スミスはジャズを目指し、ベースのロス・バロリーはなんとなく抜けていった。バンドはヴォーカルのスティーブ・ペリー、ギターのニール・ショーン、キーボードのジョナサン・ケインの3人になり、アルバム「RAISED ON RADIO」を86年に発表。しかし、バンドはこの年に活動を停止してしまう。

 そして、その3年後の89年にこのバンド、”バッド・イングリッシュ”が登場する。ジャーニーと同じくして80年代に活躍したバンド”ベイビーズ”のベース&ボーカルであったジョン・ウェイトとニール・ショーンが中心となりこのバンドは結成された。ジャーニーからはジョナサン・ケインが参加し、サミー・ヘイガーが在籍していたバンド”モントローズ”よりディーン・カストロノバがドラムで参加している。

 このバンドが登場した時は80年代最後のスーパーバンドと脚光を浴びた。今回はその”バッド・イングリッシュ”の91年に発売した2ndアルバム「BACKLASH」を紹介しましょう。1stアルバムの「BAD ENGLISH」は全世界で大ヒット!シングルも全米No.1になる興行成績を収めた。その1stアルバムの「BAD ENGLISH」とさほど変わりが無いように聞こえるが、デビューアルバムよりこのアルバムの方がハードな仕上がりとなっていると私は感じる。ツェッペリンのエンジニアでも知られているロン・ネヴィソンをプロデューサーに迎えている事も理由の一つともいえよう。1曲目の「So This Is Eden」はジャーニーっぽいサウンドで始まり、4曲目の「The Time Alone With You」のピアノアレンジなどは”さすがジョナサン・ケイン!”といえる仕上がりになっている。しかし、興行成績としては前作よりだいぶ落ち込み、結果このバンドはたった2作で空中分解してしまう。

 だいたい”スーパーバンド誕生”などとデビュー時に騒がれるのは長続きしないのはわかっているが、このバンドも案の定その一派であった。中心人物のニール・ショーンが音楽的方向性の違いというよくあるパターンで脱退というのが決定打となった。そしてこの後、ニール・ショーンも低迷期に入る。ドラムのディーン・カストロノバを引きつれ自身のニューバンド、”HARDLINE”を結成するがこちらもアルバム2作で解散する事となる。

 そして1996年にジャーニーが黄金期のメンバーで再結成される!アルバム「TRIAL BY FIRE 」を発表。ビルボード3位まで登りつめるも、またまたヴォーカルのスティーブ・ペリーとドラムのスティーブ・スミスが脱退。もう勘弁してくれ!そして、この代役でドラムに抜擢されたのがディーン・カストロノバであった。ジャーニーはこの後、何人かヴォーカルを代え現在も活動中である。先日も久しぶりの日本公演を実現させ、オールド・ファンを魅了した。そのうち、この”バッド・イングリッシュ”も再結成なんていうことがあるのだろうか?期待しつつまたこのアルバム聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!!

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