Ishibashi Mail Magazine Vol.67
Ishibashi Mail Magazine Vol.67
| 50作品近く紹介してきました「映像の中の楽器達」のコーナーも今回が最終回となりました。最初このコーナーをはじめた時はそんなに紹介する楽器があるのかと思いましたが、書ききれないほどの楽器が登場しているのにまずビックリ！ 偏ったアーティストばかり紹介していると言う意見もございましたがその辺はご勘弁を。 そしてその最終回はやはり私がこよなく愛すバンド、ピンク・フロイドで締めくくらなければなりません。最後に紹介する映像は87年に行われた再始動ツアーの模様を収めた映像で、88年8月にニューヨークのナッソー・コロシアムで行われたものである。フロイドにとっては「Live At Pompeii」以来、17年ぶりに発売された映像でもあった。 86年の暮れにロジャー・ウォータース抜きでフロイドはレコーディングを開始する。そして遂に87年9月に復活アルバム「A Momentary Lapse Of Reason」を発売する。3人が出すサウンドは正にピンク・フロイド・ワールドであった。そしてアルバム発売日の2日後からバンドはワールドツアーへと旅立っていく。 そのライブの内容はまさにスーパー・スペクタクル・ショー！今まであらゆる映像を見てきたがここまでライティングや演出に凝ったものは見たことがない。巨大な円形スクリーンから出てくる映像はコンサート会場とは思えないほど立体的である。そしてデヴィッド・ギルモアがメインに使用している赤いストラトは83年製の57”リイッシュと至って普通の物を使っており、ピックアップはこの当時、全てEMG社製の"SA"に載せかえている。そして名曲”One Of These Day"ではJedson社のラップ・スチールギターを使用し、あの素晴らしいイントロを奏でる。このラップ・スチールにもEMG社のピックアップが搭載されているのだ。エフェクターに関しても記載したいのだがあまりに物凄い数のエフェクターを使用しているため、ギルモア公式サイトのギアー紹介を見てください。 そしてバンドは88年3月に3度目の来日を果たす。実に16年ぶりの来日であった。以前に何度もお話したが私が見たコンサートの中でこのコンサートを越えるものはいまだに無い。会場そのものがフロイド・サウンドで共鳴していたのを今でも忘れない。当時、¥5,000が相場であったチケット代であるがフロイドは単独アーティストでは始めての¥7,000と高額であったが、確実に安いチケット代であった。 そのフロイドも現在は存在しない。2005年7月2日に行われたアフリカ貧困撲滅チャリティー・イベント「LIVE 8」で長年確執があったロジャー・ウォータースとも和解し、1回のみのライブを行った。実にこれが4人での最後の勇姿となってしまった。2006年7月7日、かつてのバンドの中心人物でもあったシド・バレットが他界し、2008年9月15日にはキーボードのリック・ライトが癌のため他界した。ギルモアもウォータースもまだバリバリ活動はしているがピンク・フロイドでの演奏はもう2度と聴くことが出来ない。 最後にこの映像はまだDVD化されていない。94年に行われたツアーの模様を収めた「P.U.L.S.E」は更に素晴らしい映像になって発売されているが、この再始動の頃のフロイドの映像をまだビデオとLDのみ。再発を切望することでこのコーナーを締めくくりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。次号からの新コーナーをお楽しみに！ [DELICATE SOUND OF THUNDER / PINK FLOYD] 1.Shine On You Crazy Diamond(Intro) 2.Signs Of Life 3.Learning To Fly 4.Sorrow 5.The Dog Of War 6.On The Turning Away 7.One Of These Day 8.Time 9.On The Run 10.The Great Gig In The Sky 11.Wish You Are Here 12.Us And Them 13.Comfotably Numb 14.Run Like Hell 15.Shine On You Crazy Diamond(Reprise/End Credits) David Gilmour (Gt,Vo) Nick Mason (Dr) Richard Wright (Key,Vo) Guy Pratt (Ba,Vo) Jon Carin (Key.Vo) Tim Renwick (Gt,Vo) Scott Page (Sax) Gary Wallis (Perc) Margret Taylor (Cho) Durga Mcbroom (Cho) Rachel Fury (Cho) |  ビデオ版は”MONEY”が1曲多く収録されている。  スペシャルな曲満載のブートレッグ盤  オフィシャル盤のシングルCDには貴重なライブ・ヴァージョンも収録されている  アメリカではフロイドの雑誌も豊富に発売されている。  EMGのギルモア配線！同じにしても同じ音は出ない（笑） |
