Ishibashi Mail Magazine Vol.62
今回は当時としては斬新なピックアップを搭載したアコーステックギターCF-100Eをご紹介いたします。 ギブソンはアコースティックにP-90のシングルピックアップをボディートップのサウンドホール上にマウントしたモデルを1950年代初頭にいくつかのモデルで製作しました。その中には今回のCF-100E、そしてビートルズの使用でも有名なJ-160E、そして本数は少ないですがJ-200にもピックアップをマウントしたJ-200Eも製造されていました。 CF-100Eはギブソンフラットトップのギターの中で初めてピックアップを搭載したモデルで、1951年から1958年の間で生産されました。最近ではリイシューモデルも再生産され人気があります。1950年にピックアップ無しは先に登場しており、ピックアップありはサウンドホールがピックアップを取り付けるためにブリッジよりになっており、ボディのサイズはLG-2をシングルカッタウェイにし、ピックガードをカッタウェイに合わせてデザインされたとてもカッコいいルックスでシンガーソングライター等に人気があります。 P-90のピックアップはアコースティック弦でもサウンドは拾いますが”マグネットピックアップ”ですのでアコースティック弦よりエレキ弦の方がサウンドは拾いやすくバランスが良くなります。ボリューム、トーンは思い切ってボディートップのブリッジ横にマウントされ、アウトプットはボディーサイドにマウントされています。通常後付けの場合ボディエンドのブロックに穴をあけ取り付け、しっかり固定されていますがこのCF-100Eはボディーサイドの薄い板に穴をあけていますので、横から衝撃を与えるとサイドが割れてしまいやすいので注意が必要です。 ボディ内の構造はLG-2のように”Xブレーシング構造”になっており生音でも良い音がするので、ピックアップを通さなくても楽しめこれはギブソンならではの技術力でしょう。今回の1955年製はフレットが19フレットから20フレットに仕様変更された年でコントロールノブもバレルノブと呼ばれる樽形状のノブからハットタイプのノブに変わった過渡期のモデルでこの仕様で50年代後半のモデルであるというう事が見た目でもわかります。 マーチンも50年代後半にディアルモンドのピックアップをD-28等に取り付けたモデルを発表しましたが、ギブソンとマーチンはお互いをものすごく意識しておりこれが他のブランドにも広がりアコーステックギター界の歴史を作っていきました。ピックアップが搭載されたモデルは後にオベーション、タカミネ等が登場しエレアコという言葉が誕生するブームがおこりましたが現在はこの開発力により後付けでブリッジ下にピエゾピックアップを取り付ける方法がギブソン、マーチンでも採用されこの技術も進化を続けておりますます。こうした方法を必要とされるミュージシャンが今後も増えることでしょう。まさにオーアメリカン!そして本年もよろしくです! <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
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