Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.57

映像の中の楽器たち [Chapter:44 IN JAPAN 1975 / SUZI QUATRO]


LD盤ジャケット。サンダーバード持ってます。
LD盤ジャケット。サンダーバード持ってます。

LD盤ジャケット。サンダーバード持ってます。
 今回の映像は女性ロッカーの先駆者とも言われたスージー・クワトロの75年来日公演を収めた映像「IN JAPAN 1975」を紹介しましょう。さすがに75年の映像ということもあって、画質音質共にあまりいいものとはいえないがその貴重さでは注目できる映像だ。

 75年はたくさんの大物アーティストが来日した年でもあった。グランド・ファンク、クラプトン、バッド・カンパニー、ステイタス・クォー、そしてとトミー・ボーリンが参加した4期のディープ・パープルなどがライブを行っている。残念ながらこの映像のスージー・クワトロのライブは見ていないが、その熱狂度はこの映像がしっかり伝えてくれている。

 スージーはアメリカ・デトロイトの生まれであるが、デビュー前に渡英する。72年にデビューシングルを出すが、ロック色が薄く全くヒットしなかった。その翌年、73年にハード・ロック志向に変更し、2ndシングル"Can The Can"を発売する。これがイギリスでNo.1ヒットになり一躍スターダムにのし上がることとなる。そして、74年に初来日をはたし、その翌年再来日を実現した。

 スージーの第一印象はやはりギンラメのジャンプスーツかブラックレザーのジャンプスーツであった。当然この映像の中でも主にギンラメのジャンプスーツを着て演奏している。そして、スージーが主にステージで使用しているのがギブソン・リッパーベースである。非常に大きいベースであるがスージーが持つと更に大きく見える。そのベースを物凄く低い位置で持つスタイルがスージーそのものである。初期にはフェンダー・プレシジョンベースを使用し、80年代にはB.C.RICHやステイタスのベースも使っている。ジャケットにも映っているが来日時にはYAMAHAのBBやグレコのサンダーバードも使用している。
 
 80年代に突入するとスージーの人気も下降線で音楽的志向も大きく変化していった。しかし、80年後半にBOOWYの発売したシングル”Marionette”のB面でスージーの名曲”The Wild One”が収録される。しかも、スージー本人も参加しているのだ。そして90年には10数年ぶりの来日を果たし、川崎クラブチッタで昔と変わらないライブアクトを披露した。また、この時代までバンドのメンバーでもあるギターのレン・タッキーはプライベートではスージーの夫であった。(後に離婚)

 そしてそのスージーは現在でも現役である。今年で58歳になるがイギリスやドイツなどでライブ活動も行っているようだ。私のバンドでも”The Wild One”はオープニング曲に演奏させてもらっている。本家の”The Wild One”は再び日本で聞くことが出来るのでしょうか?期待したいです!


[IN JAPAN 1975 / SUZI QUATRO]

1.I May Be Too Young
2.Cat Size
3.You Mama Won't Like Me
4.Jailhouse Rock
5.Glycerine Queen
6.Can The Can
7.Devil Gate Drive

Suzi Quatro (Vo,Ba)
Len Tuckey (Gt)
Alastair Mckenzie (Key)
Dave Neal (Dr)
裏ジャケではヤマハのBBを持ってる。
裏ジャケではヤマハのBBを持ってる。

味気ないが90年の来日チケット<br />
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