Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.56

映像の中の楽器たち [Chapter:43 ELECTRIC EYE / JUDAS PRIEST]


 今回は、先日来日公演を行ったばかりのジューダス・プリーストの映像を紹介いたしましょう。この映像は2003年に発売されたベスト映像集であるが、その内容はベストを通り越しているほどの充実内容だ!

 まず、13曲のプロモーションビデオに加え、BBCでの未発表スタジオライブが6曲、そして86年のTOURを映像化した「PRIST...LIVE!」が完全収録されている。「PRIST...LIVE!」に関しては以前よりビデオ化されていたためそれほど驚くものではないが、プロモビデオとBBCの映像はかなり熱いものがある。一番古いものではデビュー1年後の75年に行われたもので、ヴォーカルのロブ・ハルフォードなどは今とは全くの別人のようである。髪の毛はフサフサで超ロング。しかも他のメンバーもいかにも70年代という衣装で演奏しているではないか!

 ジューダスも78年頃まではステージ衣装も今のようなレザーと鋲だらけではなく、全身ヒラヒラのあの時代によくいたハードロックバンドの格好をしていた。実際に初めて見た78年の日本公演はヒラヒラの衣装であったが、翌79年には結構メタリックな衣装に変わっていたのを覚えている。そのメタリックになり始めた頃の二人のギターリスト、KK・ダウニングとグレン・ティプトンのトレードマークはフライングVとギブソンSGであった。そして80年にはいるとそのトレードマークはFVとストラトへと変わっていく。このころの日本のギターメーカーではかなり多くのコピーモデルが生産されてたのも懐かしい。

 そしてこの映像の80年も後半になるころ二人のギターに大きな変化が現れる。それはヘイマー・ギターの登場だ。KKはギブソン時代と同じくFVを使用。グレンはストラトに似ているシェイプのギターを使い始めた。そして現在でも使っているがかなり奇抜なシェイプのギターも使っている。ギター・サウンドそのものにもこの時期から更にヘビーになっているように感じるのだ。そして最近、80年代に使用していたあのKKのFVとグレンのSGが限定販売されたのも記憶に新しい。そしてグレンに関しては新しいシェイプのギターも製作中らしい。

 そして何よりこの映像の中のロブ・ハルフォードはとてもよく動いている。今では全く動くことなく仁王立ち状態で歌うのが当たり前になっているロブであるが、やはり若さと時代にあったスタイルになっている所を見るのも面白いだろう。

 バンドは93年にロブ・ハルフォードが抜け、低迷時期が続くが2003年にロブが戻り息を吹き返した。2005年に来日も果たし、この時の模様もライブDVDになっている。この時の武道館公演より今年の来日公演のほうがメンバー全員、よく動いていたように思える。変な表現であるがロブは既に57歳、グレンにいたっては還暦を越えているのだ。この年になってもメタルを出来るそのパワーだけでありがたい事である。

 余談であるが昨日、日比谷野音にフラワー・トラベリン・バンドの復活ライブを見に行ってきた。35年ぶりの再結成でメンバー皆、還暦を越えている。前座(懐かしい響き)に抜擢された久しぶりに集結したジョニー、ルイス&チャーのドラマー、ジョニー吉長も還暦を越えている。しかも、演奏はあの頃のまま!ジューダスもフラワーもJL&Cもほんとスゴ過ぎます。まさにロックとはこうありたいものですな!!


[ELECTRIC EYE / JUDAS PRIEST]

*曲目は多すぎて書ききれません。勘弁を!


Rob Halford (Vo)
Glen Tipton (Gt)
K.K Downing (Gt)
Ian Hill (Ba)
Scott Travis (Dr)

John Hinch (Dr)
Les Binks (Dr)
Dave Holland (Dr)
歴代のチケット/一番上から78年、79年、84年、91年、05年、08年です。もしかして皆勤賞?
歴代のチケット/一番上から78年、79年、84年、91年、05年、08年です。もしかして皆勤賞?

05年の武道館ライブ映像。こっちも最高っす!
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