Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.51

映像の中の楽器たち [Chapter:41 LIVE FROM LONDON / SHERYL CROW]


シェリルがデビューして早15年近くが経つ。30歳を過ぎてからの実質デビューとなるのだから、この映像の時は新人としてはかなりの年齢だ。収録は96年、ロンドン・シェパーズ・ブッシュ・エンパイヤでのライブ映像である。

 長い下積み時代を経て90年初頭にようやくデビューするが、80年代後半にはマイケル・ジャクソンのツアーでバックシンガーをしていた時代もあるようである。90年初頭にボブ・ディランやドン・ヘンリーといったミュージシャンに近づくことが出来、ライブでも名が知られるようになる。そして93年にデビューアルバム「Tuesday Night Music Club」が大ヒットとなり、続く2枚目「Sheryl Crow」はグラミー賞2冠となるスーパー・アルバムとなった。サウンド的にも2枚目のほうがより泥臭いロックンロール色が強くなってきている。

 その2枚目のアルバムを出したばかりの頃のライブ映像であるため、観客のノリも半端ではない。現在ではアリーナクラスで行うアーティストであるが、この頃はまだ小さいホールクラスで演奏しているため、ファンとの距離がライブハウス感覚である。そしてこの映像の中に登場するシェリルのメインギターはギブソン・カントリー・ウエスタンである。噂によると彼女の生まれた年の62年製であるようだ。となると今46歳!なかなかファンキーなオバさんである(失礼!)この後、このカントリー・ウエスタンを母体にしてギブソン・シェリル・クロウ・シグネチャーが生まれることとなる。

 またエレキではフェンダーのカスタムショップと思われるTLを使用している。このほかにグレッチのシルバージェット等も登場するのだ。最近ではベースもプレイするなどステージでは実にアグレッシブだ。そしてステージコスチュームも拍車をかける。ミニスカ・ポリス風あり下着姿ありと、さながらロック界のマドンナといったところ。しかし、そのカッ飛んだところが実にシェリルのサウンドに合っているのです。

 そしてこの映像にはもう一つの見所もある。この当時付き合っていた彼、その方こそあのエリック・クラプトンである。そのクラプトンが紹介もされずにアンコールでいきなり出てきて、”Ordinary Morning”をストラトで弾きまくるのです。自分の彼女のライブだからこそ出来るのかと思ってしまうほど。そんなオテンバなところがシェリル・クロウなのです。そしてそんなオテンバ・オバサン(失礼)が再び日本にやってきます。また、カッコいいロックン・ロール・ショーを見せてくれるでしょう。しかし私と同い年とは・・・、まだまだ頑張らなくては!


[LIVE FROM LONDON / SHERYL CROW]

1.Hard To Make A Stand
2.Everyday Is A Windingroad
3.Leaving Las Vegas
4.A Change Would Do You Good
5.Run,Baby,Run
6.If It Make You Happy
7.Sweet Rosalyn
8.Redemption Day
9.Can't Cry Anymore
10.Strong Enough
11.Maybe Angel
12.All I Wanna Do
13.Superstar
14.Ordinary Morning
15.On The Outside

バンドメンバーは記載がないため省略いたします。
ミニスカ・シェリル。カッ飛んでいる。
ミニスカ・シェリル。カッ飛んでいる。

シェリルのシグネチャーモデル<br />
シェリルのシグネチャーモデル