Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.50

映像の中の楽器たち [Chapter:40 THE KID ARE ALRIGHT / THE WHO]


 65年デビュー以来、多くの多難を乗り越えてなおも活動続けているバンド、THE WHOの映像を今回は紹介しよう。この映像はデビューから70年後期までの活動をライブとPVでまとめたヒストリー映像だ。

 まず冒頭の曲”My Generation”から衝撃的映像である。TVショーでの映像であるが、コミカルなトークを司会者と繰り広げた後に曲へと突入する。そして終盤にいくとおなじみでもある”楽器破壊シーン”が登場する。60年代後期にはステージ・パフォーマンスとして楽器を破壊するアーティストが多数いたが、その中でもTHE WHOはとてつもなく派手にブっ壊すのだ。この映像は多数の楽器が登場する。しかし、ある意味楽器がかわいそうにもなる面を持っているのだ。

 ギターリストのピート・タウンゼントは主にギブソンをこよなく愛していたが、デビュー当時にはストラト、50年代のテレキャスター、リッケンバッカーなども使用していた。当然の事ながらこのギター達も映像のなかで餌食になっている。60年後期から70年代になるとピートのギターはほとんどギブソンになる。ワイト島フェスティバルの映像が収録されているが、その中で使用しているギブソンSGを派手にブッ壊している。そしてこの時代特に壊されており、噂では60年代後期の現存しているSGが生産台数より少ないのはピートがよく壊したからとも言われているほど。後にこの頃のSGがシグネチャー・モデルとして限定発売されることにもなる

 そして70年後期になるとあのよく見かけるスイッチがいっぱい付いているレスポールが登場する。色も数種類あり番号で区別されているあのレスポールである。このレスポールは結構大事にしていたようであるが、最後に収録されている曲、”Won't Get Fooled Again”ではこのギターでシンバルをかっ飛ばし、床に思いっきり叩きつけている。しかし、壊れていないのが不思議なところでもある。

 もう一人の壊し屋、ドラムのキース・ムーンもとてつもない。ドラムを蹴っ飛ばして山台から落っことすだけではなく、シンバルスタンドはシンバルごと客席に投げ、あげくバスドラはロケット弾で吹っ飛ばすという破天荒極まりない!そんなキースは生涯、プレミヤを使い続けている。そんな破天荒な二人を横目に延々とベースを引き続けるのがジョン・エントウィッスルである。初期はギブソン・サンダーバードや50年代のフェンダー・PBを使ってる。70年代に中期なるとアレムビックのエクスプローラー・ベースがトレードマークとなった。

 そんな破天荒バンドも78年9月、キース・ムーンの他界により大きな転機を迎える。新たにフェイセスのドラマー、ケニー・ジョーンズを加入させ活動を始めるが83年に解散となる。そして96年に再び活動を再開するが2002年6月、ベースのジョン・エントウィッスルが薬物にて他界とまたも転機を迎えることとなる。しかし、バンドはそのまま活動を続け、2004年にはフェスティバルのヘッドライナーとして初来日を果たす。デビューから39年経ってからのことであった。

 そして今年11月、初の単独公演が日本で実現する。ストーンズ、ツェッペリンに続くヒストリック・バンドを見逃してはいけない。破天荒なバンドだけに次はないと思ったほうがよさそうだ!!

[THE KID ARE ALRIGHT / THE WHO]

1.My Generation
2.I Can't Explain
3.Baba O'Riley
4.Shout And Shimmy
5.Young Man Blues
6.Tommy,Can You Here Me
7.Pinball Wizard
8.We're Not Gonna Take It
9.Anyway,Anynow,Anywhere
10.Success Story
11.Substitute
12.Pictures Of Lily
13.Magic Bus
14.Happy Jack
15.A Quick One
16.Cobwebs And Strange
17.Sparks
18.Barbara Ann
19.Roadrunner〜My Generation(Blues)
20.Who Are You
21.My Generation
22.Won't Get Fooled Again
23.Long Live Rock(End Roll)

Roger Daltrey (Vo)
Pete Townshend (Gt,Vo)
John Entwistle (Ba)
Keith Moon (Dr)
限定生産の紙ジャケCDはおまけがいっぱい
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同時リリースの「ライブ・アット・リーズ」にはアナログ初回盤についていたオマケのミニチュアが全て付いてる!
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90年半ばに発売された写真集。レアな写真ばかりです。
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