Ishibashi Mail Magazine Vol.45
フェンダーベースの原点プレシジョンベースは1951年にテレキャスターのボディーデザインで誕生しました。今回ご紹介するのは一般的にプレベと言われるデザイン(今度はストラト風シェイプ)になる1957年製のプレシジョンベースです。 このデザインに変更されるのは1957年で写真のプレシジョンベースは初年ものになります。発売当初は”ゴールドアノダイズド”のアルミニウム製のピックガードがついており、表面には薄いクリアーコートが吹かれています。この”アノダイズド・ピックガード”は1959年にはべっ甲柄の合成樹脂のものに変わるため、オリジナルのアノダイズドがついたものは初期のスタイルで人気があり、現在フェンダー社は1957年の復刻版を生産するほどベース奏者より支持されております。 変更されたのは外見上のデザインだけではなく、ピックアップのデザインもスプリット・ピックアップに変更されました。このピックアップは2つのコイルによりハムバッキング効果が得られノイズも少なくなり、1本の弦に対して2つのポールピースが下にくるよう設計されバランスのとれたトーンを再現します。初期の1957年から1959年までは3弦のポールピースのみ高くしており、(スタガードポールピースと呼ばれます)今回の57年製もピックアップカバーよりでています。1959年以降はピックアップカバーの表面とポールピースの高さはすべてフラットになりました。 1957年からのブリッジサドルは2つのスチール製の円柱から細かく溝の入った4つのスチール製のサドルになり、ブリッジプレートもそれまでの3点どめから5本のネジで固定されるようになりました。これで各弦ごとのオクターブ調整もしやすくなり、より正確な音程とトーンが得られるようになっています。 また、1957年〜1958のシリアル番号の中には通常と異るケースがあります。それはシリアル番号の前に“−”マイナスで始まる物が存在し、今回のプレシジョンベースもなんと”−20708”とプレートに入っています。ネックデートは57年12月で形状はVネック、ポットデートは3047408ですので304(スタックポール社)の57年48週とわかります。コンデンサーはこの年代まで使われる事の多い”コーネルダラー”のオイルコンデンサーが使われています。 そしてサウンドはメイプルネックの芯の詰まったアタック感、乾ききったアルダーボディーの音の深さ、音の切れがよくしっかりと出る中域とベーシストなら必ず虜になる魅力があり本当に素晴らしいです。半世紀たった今、本物の音がここにあり、ロック、ポップス、パンク、R&Bと全てのジャンルに愛され続けるベースこそが、プレシジョン・ベースなのです。 オ〜アメリカン! <お問い合わせ> 石橋楽器 渋谷店 TEL 03-3770-1484 shibuya@ishibashi.co.jp
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