Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.44

映像の中の楽器たち [Chapter:34 IN CONCERT / PAUL RODGERS AND COMPANY]


 年をとっても全く衰えを見せないヴォーカリスト、それがポール・ロジャース。そのポール・ロジャースが93年にサンフランシスコのライブハウス、ザ・グレイと・アメリカン・ミュージック・ホールで行ったライブ映像をご紹介しよう。

 ミュージック・ホールといっても300人ほどのキャパのところにぎっしり詰まっている状態で、この位のネームバリューならもっと大きいところで演った方が良いのではと思うくらい狭いのである。その狭いところにアリーナクラスを簡単に満タンに出来るアーティストがゲストで登場すると言うのだから、アメリカと言う国はロックに恵まれているとつくづく思う映像でもある。

 そのロジャースのバックメンバーがまた強烈。ギターにジャーニーのニール・ショーン、ドラムにこの時は確かハートに在籍していたディーン・カストロノバである。ディーン・カストロノバと言えばやはりモントローズに在籍していたことで有名であるが、日本ではイマイチ有名ではない。アメリカではかなり評価が高く、ビクネームのバンドを渡り歩いている。現在は確か再結成ジャーニーに在籍しているはずだ。

 このライブはロジャースが90年初頭に出したアルバム「マディー・ウォーター・ブルース」の発売に合わせて行われたツアーの模様を収めており、会場はあまり大きくないクラブ・サーキットと言う感じである。収録の同じと年にジミヘンばかりを収録したライブアルバムも発売している。その流れからか本映像に収録されている曲もこのアルバムとジミヘン、そしてフリーとバッド・カンパニーの曲で構成されている。ライブの1曲目はバドカンの”CAN'T GET ENOUGH”でスタートするのだがニール・ショーンのあまりに歪んでいるサウンドに少々ビックリする。そして使っているギターは珍しくトム・アンダーソンのギターを使用している。しかも、定番のフロイド・ローズ・トレモロユニットが搭載されている。

 そして後半一人目のゲスト、ブライアン・セッツァーの登場。第一印象は”まだ痩せている”であるが、グレッチのSILVER JETを使用している。残念なのはニール・ショーンの音がデカくてブライアンの音が殆どかき消されているのだ(悲)そして2番目のゲストはイエスのバカテク・ギターリスト、トレヴァー・ラビンだ。
そしてラストのゲストはガンズのスラッシュ!他人のステージだが上半身裸で登場と渋すぎます。映像の中で使用しているギターはレスポール・クラシック・プラスのように見えます。最近ではスラッシュ・シグネチャー・モデルが新たに発売され軒並みソールドアウトと人気の衰えを知らないアーティストでもある。

とにかくギターリスト天国のこの映像。最後はみんな弾きまくって何をやっているのか解らなくなるほどではあるが、やはり御大ポール・ロジャースは全く動じなく歌っているのである。最近はクィーンに加入したりと精力的に活動を続けているが今のポールの方が明らかに若い。この映像の中のポールは髪もボサボサ、やや太っていて、しかも歯が一本抜けているときたもんだ!そんなんでも歌うと凄いんだな〜、このオッサンは。また来日してください!

[IN CONCERT / PAUL RODGERS AND COMPANY]

1.MUDDY WATER BLUES
2.CAN'T GET ENOUGH
3.GOOD MORNING LITTLE SCHOOL GIRL
4.STANDING AROUND CRYING
5.ROLLIN'STONE
6.LITTLE WING
7.ALL RIGHT NOW
8.FEEL LIKE MAKING LOVE
9.CAN'T BE SATISFIED (W/BRIAN SETZER)
10.LOUISIANA BLUES (W/TREVOR RABIN)
11.THE HUNTER (W/SLASH)
12.ROCK ME BABY (ALL STARS)
13.CROSSROADS (ALL STARS)

Paul Rodgers(Vo)
Neal Schon (Gt)
Todd Jensen (Ba)
Dean Castronovo (Dr)

Guest:Slash , Trevor Rabin , Brain Setzer

最近、QUEENに加入した頃の御大。絞ってきました!(CD中ジャケ)


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