Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.39

American Sound History [FENDER 1971年製 Telecaster w/Bigsby Natural]

1950年代初期に誕生し、今なおエレキギターの代表的モデルとして人気のスタンダード・モデルであるテレキャスター。ホワイト3プライ・ピックガード仕様の1971年製。オプションとしてビグスビーが搭載されたのは1967年から1974年頃までです。また、1972年にはヘッドのストリング・ガイドが2つとなるため、こちらはそれ以前のモデルということが分かります。

ビグスビー搭載テレキャスターの場合は通常のテレキャスターと違いブリッジに特徴があり、一般的にはブリッジのプレートのエンドから弦を引っかけるかボディ裏から通す方法で、弦とブリッジサドルが固定されております。また、テレキャスターならではの歯切れのよい音が特徴ですが、ビグスビーアームが搭載されるブリッジになりますとブリッジサドルに工夫が施されます。

それはアームを使用した場合、アームアップダウン時にサドルが固定されていますと弦の上でサドルと弦で摩擦が起こりチューニングがずれる原因になる為、アーム搭載のこのブリッジの構造はジャガー、ジャズマスターのように、サドル自体プレートが独立しております。2点支点でプレートがピックアップをつけられたブリッジに乗った状態でアームをアップダウンした際、上手く弦が乗り、ブリッジサドルも動くので摩擦がなくチューニングがくるいにくい仕組みになっております。

 このシステムによるサウンドはテレキャスターの芯のある歯切れのよい音にアームユニットによる倍音効果で、豊かな甘いサウンドも出るようになりました。この倍音効果はアンプを歪ませた時には弾けるほど、ラウドなサウンドにもなりとても魅力的な部分を持っています。

 ボディーはアッシュ材ですが、70年代前半までのアッシュ材の重量は軽めでアームがついていても全体の重量バランスがよく人気があります。指版はローズがラウンド貼りされたメイプルネックにより太目なアタックが魅力です。
 全体のフィニッシュはラッカーでなくポリ系になり、状態の保護がしやすく音のばらつきも少なくなります。ヘッドの表面だけは最後にラッカーが吹かれており、この部分のみ塗装焼けが見られることが多いいです。

 70年代後半になりますとピックガードは黒く変化し、アッシュ材はかなり重くなる為、ステージで使うにはやはり今回のテレキャスターぐらいバランスのよい物が人気あります。
 体を壊してしまうとロックできませんので、もし70年代後半を使用する際は体を鍛えてからをお勧め致します。(笑)オ〜アメリカン!

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石橋楽器 渋谷店
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<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し今年渋谷店勤務5年目
数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代の
ロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。
宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店
お待ちしております。