KORG volcaシリーズに新たにキック専用機「volca kick」が登場。
volca kickは一般的なオシレーターではなくMS-20前期型フィルター発振を音源に採用し、複雑な倍音を含んだ強力なキックを生み出す低音生成マシーンです。DRIVE、TONE、パルスジェネレーターなど、その力強いキックサウンドをさらに引き立てる各種パラメーターも装備。加えて、新機能TOUCH FX機能をはじめ、モーションシーケンス、ACTIVE STEP、など作成したフレーズをリアルタイムに変化させることができる機能も装備。クラブなど現場での使用はもちろん、DAWと連携し制作にも使える注目マシーンです。
キック・ドラムからキック・ベースまで、力強いサウンドを放つアナログ・キック・ジェネレーター。
これまで往年のグルーヴ・マシンや歴史的なシンセシスに光を当ててきたvolcaシリーズが、全く新たにフォーカスするもの。
それは、ダンス・ミュージックの最も重要なサウンドである“キック”です。 volca kickは、キックの音作りを追求するアナログ・キック・ジェネレーターです。MS-20前期型フィルターの強烈な発振音を軸にしたアナログ回路で、芯のあるキック・ドラムやヌケの良いキック・ベースなど、アナログならではの多彩なキック・サウンドが思いのまま。またvolcaの特色ある16ステップ・シーケンサーは、エフェクトを瞬時にコントロールできる新機能TOUCH FXを搭載してさらにライブ性が高まりました。
プラグインやサンプルでは決して得ることのできない、圧倒的なアナログ・キックの迫力を体感して下さい。
「volca kick」誕生の理由
「volca」シリーズは、世界中で数多くのダンスミュージックに使用されています。ダンスミュージックにおいては、キックの音が肝であり、クラブなど現場で鳴らした際に踊れるか否かを決める重要な要素と言えます。すでにリリースされている「volca beats」にはキック用パラメーターが二つ存在しますが、そこまで自由度は高くありません。また、他社を見渡してもキック専用機のようなものは今まで存在しませんでした。
そこで、ダンスミュージックにおいて実用的なキック専用機があったらよいのでは?という考えのもとに、開発されたのがこの「volca kick」です。他のアナログリズムマシーンで優れたものは多く存在しますが、スネア、シンバルなどキック以外のインストも含まれ、各々のパラメーターに対しての操作の慣れも必要です。そして、比較的高価なものが多いのが現状です。ところが、この「volca kick」はキックに的を絞ったシンプル操作&低価格を実現しています。
太くパワフルなサウンドを生み出すキック専用機というと一見マニアックな存在にも見えますが、電池駆動&スピーカーも搭載していて気軽に使えるマシーンなのです。
音源に一般的なサイン波ではなくMS-20前期型フィルター発振音を採用
MS-20のフィルター回路は独特であり、程よい歪み感を持っています。そして、有名なモーグとも全く異なるサウンドです。その粗さが良い意味での存在感に繋がり、単純にカッコいいと言えるサウンドを作り出します。今回登場した「volca kick」は、フィルター発振のキック生成マシーンということで、MONOPOLYやPOLYSIXではなく、KORGシンセの中でもレジェンド的な位置づけのMS-20のものを音源部分に採用しています。最近のアナログ回路で生成されたサイン波はきれいな波形となりますが、このMS-20前期型フィルター発振を基にした波形は、歪みが生じ、ギザギザで粗い波形。これが良い意味で音のざらつき感となり、複雑な倍音を含んだ強力なキックを生み出すのです。
そして、「volca kick」では、各種パラメーターにより多彩なキックを思い通りに作り出すことができます。音作りの中心となるMS-20 RESONATORでは音程感をコントロールしてキックの「胴鳴り」を生成、PULSE COLOUR/LEVELではクリック成分によってアタック感を、AMP ATTACK/DECAYでは音の余韻を直感的にコントロールすることができます。これによりあらゆるダンス・ミュージックに適したキック・サウンドを作り出すことが可能です。
今回新たに搭載されたTOUCH FX
「volca kick」には新たにTOUCH FX機能が搭載されました。リアルタイムに様々な音色変化を加えることができ、現場においてのリアルタイムパフォーマンスにも最適です。中でも、クラブ等でも盛り上がるロール(スタッター)効果がオススメです。「volca beats」にもスタッター機能がありましたが、パラメーターノブを使用するため感覚的な操作となります。一方、「volca kick」では1/4、1/2、1/1、4/3、2/1、3/1と表記が分かれているので、狙ったスピードでスタッターをかける事ができます。また、モーションシーケンスのON/OFFを使用する事で、記録したモーションシーケンスが再現され、音程がランダムに変化し、キックをいきなりトリッキーなサウンドに変えることも可能です。押している間だけオクターブ上げができる1 OCT/2 OCTスイッチもTOUCH FXの機能の一つ。
これらの効果を併せて使用する事も可能です。ロールしながらモーションシーケンスをON/OFFするなど、TOUCH FXを使用することでキックの枠を超えた多彩なサウンドを生み出すことができます。
他にもオススメ機能満載
・モーションシーケンス
鳴らしているパターンに対して、各種パラメーターの変化を記録できるモーションシーケンス機能。パラメーターの動きを1つずつ足しながら記録でき、間違った場合は該当のパラメーターを記録し直せばOKなので、初心者にも分りやすい仕様となっています。SWING、TEMPO、VOLUME以外のパラメーター(つまみ)はその変化を全て記憶可能。モーションシーケンスで記憶したものをTOUCH FXを使ってON/OFFすることもできます。
・キックベース機能
ステップシーケンス部分は鍵盤にもなっており、音階をつけてベースマシーンとして使うことができます。ダンス・ミュージックに欠かせないキック・ベース・サウンドを、強力なアナログ回路で作り出すことができます。シーケンストラックは1トラックだけなので、キックとベースの両方をこの「volca kick」で表現したければ、2台同時使用するという手もあります。
・ACTIVE STEP機能
点灯しているSTEPのみ演奏されるACTIVE STEP機能。例えば、16STEPのうち4つのSTEPを消灯すると、12STEP、つまり三拍子となります。また、リアルタイムパフォーマンスの際、STEPの抜き差しをすることで、偶発的なサウンドメイクを楽しむこともできます。変拍子、三拍子などでパターンの保存もできるので制作時にも使用することができます。