1966 Fender Jaguar Candy Apple Red
- Brand: Fender
- Model: Jaguar
- Color: Candy Apple Red
- Year: 1966
- Search For: "Fendeer Jaguar"
1966 Fender Jaguar Candy Apple Red
1962年にデビューをしたジャガーは、60年代サーフ・ミュージック・ブームの中心的モデルであった。70年代以降、時代の流れと共に一度生産が中止したこともあったが、90年代に入り、ニルヴァーナやソニック・ユースなどのグランジ/オルタナティブ系ミュージシャンの使用により再び注目され、脚光を浴び、再生産が始まり、時代とジャンルを超え、世界中で愛されるモデルとなった。
今回紹介する個体は1966年製で、フェンダー社がCBSに買収された後のモデルだ。ペグとネック・ジョイント・プレートには“F”マークが入り(ペグは通称“Fキー”と呼ばれている)、バインディング・ネック、ブロック・ポジション・マークなどが、この時期の特徴。
キャンディー・アップル・レッドはカスタム・カラーゆえに稀少だが、本器のようなマッチング・ヘッドとなると、かなりレアな1本となる。
CBS期のキャンディー・アップル・レッドはプリCBS時代に比べて、色が明るく、ややオレンジ色風なものが存在する。 これは1965年以前はメタルの赤の下地がシルバーだったのが、1965年途中よりゴールドに変わったことが原因で、ゴールドの下地が表面のシースルー・レッドに変色を及ぼしたからである。
過渡期にはボディがシルバー、ヘッドはゴールドと混在するものもあり、キャンディー・アップル・レッドといっても、時代により色合いの感じが異なるものが多く存在する。
CBSに入ってからジャガーの見た目の変更で目立つところは、ブロック・ポジション・マークだが、ヘッドの形状もやや大きくなり、より外周ラインのラフな部分がなくなり、機械的に美しく削られるようになった。またフェンダーのヘッド・ロゴとストリング・ガイドもナット側に移動している。
細かい仕様はVol.31号の1963年製ジャガーでも確認できるが、1963年のものとパーツ的に変更があった箇所は、1965年頃から金属パーツがニッケルからクルーム・メッキに変更されたことである。これはギブソン社でも同様、この時期に金属パーツがクローム・メッキとなったことで、より輝度が明るくなった。
1966年はレア・カラーものが通常のサンバーストに比べて非常に多く生産されており、これも時代の流行であったのであろう。見た目のポップ・アートのイメージと、明るいサウンド・キャラクターから、60年代当時の空気が感じられ、それを満喫できる格別な1本。
Written by デューク工藤
本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。
御茶ノ水本店FINEST GUITARS