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<沖縄音楽入門者向けCD>
次に沖縄音楽入門者向けにCDを紹介いたしましょう。独断と偏見もやや入っています。
まずは本土のメジャー・レーベルから発売されているものから(順不同)。


★喜納昌吉&チャンプルーズ/喜納昌吉&チャンプルーズ(徳間ジャパンTKCA-70396)
1977年発表の喜納昌吉&チャンプルーズの本土デビュー・アルバム。ご存じ「ハイサイおじさん」をフィーチャー。ライヴ録音で演奏はかなり荒削りだが、喜納昌吉の存在感が聴くものをぐいぐいと彼の世界へ引き込んでいく。ちなみに「ハイサイおじさん」は何種類かの録音があるが三線が前面に出ているのはこのテイク。プロデュースは本土でいち早く「ハイサイおじさん」をカバーしていた久保田麻琴。


★BLOOD LINE/喜納昌吉&チャンプルーズ(ポリドールH25P20307)
 喜納昌吉&チャンプルーズのセカンド・アルバム。1980年発表。いろいろなアーティストにカバーされている「すべての人の心に花を」のオリジナル・バージョン(喜納友子がボーカル、ゲストのライ・クーダーがギター、スライド・ギター、マンドリンを担当)は本アルバムに収められている。前作よりソフィストケイトされているがエネルギッシュな演奏は健在である。ちなみに三線演奏の参考にするなら前作の方がお薦め。

★りんけんバンド/りんけんバンド(SONY SRCL2579)
 このアルバムはりんけんバンドの初期の作品を新録音で収録したベスト盤。リーダーの照屋林賢自身が三線弾きなのでこの楽器を使った色々なアレンジに挑戦しているが、どことなくフュージョン・バンジョー奏者のベラ・フレックにも似た姿勢を感じさせる。そんな中で「肝にかかてぃ」では本来の美しい音色も満喫出来る。1993年発表。なおアルバム「カラハーイ」以降はサウンドがほぼ確立されており、いきなりそれらオリジナル・アルバムから聴いてみても良いだろう。  ちなみに照屋林賢が最近良く使用するチェレンという楽器は彼がESPと共同開発した新しい弦楽器だ。三線と同様のチューニングのようだが電気楽器でフレットもある。林賢はこの楽器にエフェクターを使用することが多く、その東洋的なフレーズと相まってサイケデリックな雰囲気を醸し出すこともある。興味のある方はりんけんバンドの「チェレン」(SONY SRCL3329)を聴くべし。

★コザdabasa/ネーネーズ(KI/OON SONY KSC2 83)
 ネーネーズは4人組の女性コーラス・グループ。メンバーの古謝美佐子(すでに脱退)や宮里康子(現吉田康子)はソロ作品も出しており実力派のウタシャー揃い。古謝美佐子は坂本龍一プロジェクトへの起用でも知られる。このアルバムはニュース23のエンディング・テーマ曲に使用された「黄金の花」を収録した彼女らの代表作の一枚。デイヴィッド・リンドレー、ライ・クーダー、ジム・ケルトナー、ロス・ロボスのデイヴィッド・ヒダルゴらが参加しており、洋楽ファンにも親しみやすいサウンドとなっている。また要所要所で三線が聴こえるが、洋楽寄りのアンサンブルの中での三線の使い方のヒントが隠されていると言えるだろう。1994年作品。

★恋の花/我如古より子(VAP VPCC-81075)
 我如古より子も坂本龍一プロジェクトで活躍したウタシャー。本作品は井上鑑のプロデュースによりインダストリアル・ミュージックの要素を大胆に取り入れた意欲作。ロンドン・レコーディングを含み、井上鑑本人に加え松原正樹、バカボン鈴木、浜口茂外也、宮沢和史、デイヴィッド・ローズ、マニィ・エリスらが参加している。「てぃんさぐの花」「ナークニー」といったスタンダード・ナンバーのほか、BOOMの「島唄」のウチナーグチ(沖縄方言)バージョンも収録されている。特に打ち込みシンセ・リズムに三線が絡む「我した琉球(わしたウチナー)」は痛快だ。1995年作品。

★新良幸人パーシャクラブ Ver. 1.02/新良幸人パーシャクラブ(東芝EMI TOCT-8746)
 若手三線奏者の新良幸人が元りんけんバンドのベーシスト上地正昭らと組んだフュージョン仕立てでダンサブルな演奏を聴かせるバンド。16ビートのリズム、シンセサイザー、ブラスの多用など今日的な要素を盛り込みつつも沖縄を感じさせる。本作品は沖縄でインディーズ盤として発表されたものをリミックスしたもの。「安里屋ユンタ」「白保節」「月ぬ美しゃ(つきぬかいしゃ)」などスタンダード・ナンバーのアレンジにも注目。もちろん主人公は新良幸人だけあって三線は大きくフィーチャーされている。

★アイランド・イリュージョン(東芝EMI TOCT-8744)
 沖縄音楽では主役は歌で三線はあくまでも伴奏楽器だ。そのため三線のインストゥルメンタル曲というものは存在しないのだが、新良幸人パーシャクラブの新良幸人らがそのタブーを打ち破り(?)制作したのがこのアルバムだ。カチャーシー・ナンバーの「嘉手久(カディク)〜唐船(トウシン)ドーイ」など民謡ナンバーを中心に、喜納昌吉の「花」までスタンダードな作品を三線のインストゥルメンタルで聴かせてくれる。まず三線に興味がある方ならとっつきやすい一枚。ちなみにインスト盤と言ってもお囃子は入っていいる。1995年作品。

★神秘なる夜明け/日出克(BMGビクターBVCR-679)
 太鼓ギターなる妙な楽器をあやつる日出克のファースト・アルバム。1994年発表。三線はそれほど多く登場せずどちらかというと硬派なロッカーといった印象だ。と言ってもメロディーやアレンジの要所要所に沖縄音楽の香りを残している。沖縄版トム・ペティと言ったら良いだろうか。この日出克や前述の新良幸人など、喜納昌吉やりんけんバンドといった本土でポピュラーなアーティスト以外にも様々な沖縄のポップス、ロック・ミュージシャンが存在するのだ。もっと深くオキナワン・ミュージックを追求したい方に新良幸人パーシャクラブとともにお勧め。

★北風南風(Nishi Kaji Hai Kaji)/大島保克(ポリスターPSCR-5066)
 八重山出身の三線を弾くシンガー・ソングライター。叙情的なフォーク・ソングのスタイルを違和感なく沖縄民謡と合体させている。本作品ではビギンもサポート。全体にアコースティックな優しいサウンドを聴かせるが最後のブギも楽しめる。1993年発表のファースト・アルバム。

★音楽旅団II/ビギン(テイチクTECN-30368)
 ご存じビギンの1997年作品。沖縄的な旋律を持った「昔美しゃ 今美しゃ(むかしかいしゃ いまかいしゃ)」では三線がフィーチャーされている。前述の大島保克にも通じる作風の曲だ。本格的な沖縄音楽はまだ....という向きにはこのアルバムをお薦め。

★AJIAN NOSTALGIA ピアニカ前田ミーツ ウチナー ポップス/ピアニカ前田(PONY CANYON PCCA-00737)
 ピアニカの可能性を追求するピアニカ前田が、喜納友子(元喜納昌吉&チャンプルーズ)、真南風(まふぇ)、前川守隆をゲストに沖縄サウンドに挑戦した一枚。島唄とポップなフィーリングが巧くミックスされて聴きやすく仕上げられている。もちろん三線もしっかりフィーチャーされている。ちなみに真南風は上原江吏子と垣花暁子による島唄デュオで、上原江吏子はアイルランド在住。なおアイルランド、ケルト音楽が沖縄音楽に通じるキャラクターを持っていることは、ケルト音楽のベテラン・バンド、チーフタンズも認めるところだ。

★ZAN/TOMOKO(SONY SRCL3992)
 りんけんバンドの紅一点、上原知子のファースト・ソロ・アルバム。りんけんバンドは以前から二胡を使用するなど中国音楽への接近をはかっていたが、ここでは中国に加えアイルランド音楽の要素をも積極的に取り入れている。アジアとヨーロッパ音楽の垣根を見事に取り払った正真正銘のワールド・ミュージックと言える。録音の一部はダブリンで行われており、そこではロナン・ブラウン、ノリーン・オダナヒュー、ナリグ・ケイシーが演奏に加わった。フィドルのナリグは97年夏のドーナル・ラニーのバンドで来日したばかりでもある。プロデュースは夫君照屋林賢で、いつも通り自ら三線を弾くばかりかシンセの打ち込みも担当している。1997年発表。  ちなみに上原知子が良く左手に持って優雅にカチャカチャ鳴らしている楽器は三板(さんば)という打楽器。三枚の板を紐でつないだもので一言で言えば沖縄のカスタネットだが、特に女性が叩く場合何とも優美な指さばきが美しいのである。

<次にインディーズ・レーベルの作品を紹介いたしましょう>

★チャービラサイ/本竹裕助&スーパーきじむなー(Haisai OHZ-8131)
 沖縄民謡界のスター本竹裕助が、沖縄と言うよりは日本を代表するハード・ロック・バンド紫のドラマー、宮永英一らと組んだスーパー・ユニット。典型的な沖縄風のメロディ・ラインの歌と三線を活かしながら、ジャズ・ロック的なアレンジをも取り入れたリズミカルなオリジナル・サウンドが展開されている。ちなみに宮永英一はドラムのみならず島太鼓をも担当。1992年10月川崎のクラブチッタでのライブ録音。


★Sons Of Ailana Vol. 1/Sachiko Shima&Kenji Yano(QWOTCHEE RECORDS QRCD-001)
 まずジャケットがマニアックだ。楽器好きなら思わずチェックを入れたくなる。次に曲のタイトルを見るとさらにマニアックだ。「Duosonic」はジャケットにも登場しているしまだ分かりやすい方だが、「Mel-O-Bar」、「Teiscoral」あたりはかなりきている。本当にメローバーやテスコを使っているかは不明。演奏は島幸子(ボーカル、三線、三板)と浪速の音楽商人こと矢野憲治(ギター、ウクレレ、ベース、キーボード)のふたり。スタンダード・ナンバー「てぃんさぐぬ花」「安里屋ユンタ」などの民謡ナンバーも、サウンドがグレイトフル・デッドにも通じるリラックスしたグルーヴに包まれており不思議な気分にさせてくれる。1994年の作品。Vol.2はいつ出るのであろうか。

★いのちのうた/寿(PARANOIZ PAR-60001 R-630169)
 寿はボーカルのなびぃ(本土出身)とギター、三線のみやぎよしみつ(沖縄出身)によるデュオ。曲によってはドラム、ベースが加わる。ギター・サウンドがときおりハードロックやヘビーメタルを彷彿とさせるところがユニーク。沖縄的なキャラクターは必要最小限に抑えているがそれがかえって効果的だ。なびぃののびのびとした歌声が気持ち良い。1996年作品。

★嘉手苅林昌特集/嘉手苅林昌(マルフクレコードACD-8)
 沖縄のマディー・ウォーターズの異名をとる嘉手苅林昌(かてがるりんしょう)の島唄集。オキナワン・ポップス、ロックも良いが嘉手苅林昌は押さえておきたいアーティストだ。全編三線と太鼓による弾き語り(17曲)だが、歌に味わいと凄みが同居していて聴く者を飽きさせない。

★島美らさ(しまちゅらさ)/古謝美佐子(アカバナーASCD-2002)
 元ネーネーズの古謝美佐子がネーネーズ在籍中の1992年に発表したソロ・アルバム。ネーネーズとはうってかわった島唄集。三線、太鼓、三板といった基本的な楽器によるシンプルなサウンドだ。古謝美佐子の歌は癖を感じさせないので本土の島唄入門リスナーに是非お薦めしたい。

<最後に番外編です>

★GET RHYTHM/RY COODER(WARNER 9 25639-2)
 デイヴィッド・リンドレーとともに沖縄音楽ファンを公言しているアメリカのミュージシャンと言えばライ・クーダーだ。喜納昌吉やネーネーズのアルバムにも参加しているが、本作品では自作の「GOING BACK TO OKINAWA」で独自に沖縄音楽を追究している。少々強引なところがなきにしもあらずだが、彼の沖縄音楽啓蒙の業績に免じて許してあげよう。残念ながらこの曲でライは三線を弾いていないが、彼の三線は皮が破けてしまって弾ける状態ではないらしい。  なお表記CD番号は輸入盤のもの。もちろん日本盤も発売されている。


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