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スピーカー


●スピーカー ●コーン・スピーカー ●コーン・スピーカーの機械回路 ●最低共振周波数 ●電気系・機械系の対応と電気インピーダンス特性 ●コーン・スピーカーの音圧 ●指向特性 ●一般的コーン・スピーカーの特性 ●オーディオ用スピーカーの必要特牲

●スピーカー
 ピックアップは磁性体である弦の機械的な振動 を電気振動に変える変換器であった。これに対し てスピー力ーはアンプの出力端子から送り出され る電気信号を機械的振動に変化させ、さらに音響 的な振動、即ち音波に変化させる、電気ー機械ー 音響変換器である。スピー力ーはその構造、性能、 用途などにより多くの分類方法か考えられるが、 エレクトリック・ギターの再生用として多く用い られているものは直接放射スピー力ーと言われて いるものである。これは振動板としてふつう0.3 mm〜0.5mm程度の厚さの紙を項角100度〜160度ほど の円すい形に成形したもので、この事からコーン ・スピー力ーとも呼ばれている。現在主流をなす このコーン・スピー力ーは製品として発表された のは1925年であり、その後原理的には殆んど変化 は見られない。しかしながらいまだ多くの改良点 は残されていて、種々の用途に応じて改善されつ つある。オーディオ用として使用されるスピー力 ーと楽器用とは音を再現するという目的にもかか わらず、その構造、特性は必然的に異なるもので なければならない。このスピー力ーの章でその違 いを見るためにも、またスピー力ーの根本的原理 を明らかにするためにも、基本に戻っていくらか 深く追求してみたい。またスピー力ーを取りつけ るボックスやバッフルの必要性とその特性などに ついても触れてみたいと思う。楽器用としての代 表的なスピー力ーのいくつかを例にとりその特性 も明らかにしてみよう。



●コーン・スピーカー  現在テレビ、ラジオ、ステレオなどの音響製品に に広く使用されているスピーカーであり、紙など で成形されたコーンか振動して直接音を放射する ものである。図III-17に一般的なコーン・スピー 力ーの構造を示す。コーンの周辺は同心円の波形 にし、また材料もやわらかいものを使用し、振動 板ができるだけ動き易くなるように考慮してある。 これはフィックスト・エッジと呼ばれるもので、 さらにやわらかくなるように他の材料を貼りつけ たフリー・エッジと呼ばれるものもある。振動板 の中心に近い部分には一般にダンバと呼ばれる中 心支持器が取りつけられておリ、振動板や振動板 の中心に取り付けられたコイルが軸方向のみに動 くように支えられている。このダンパは適当な復 元力を有しておリ、材料としては合成樹脂をしみ 込ませた布を同心円の波形に成形したものか大部 分である。コイルはふつうボリウレタン銅線を紙 の巻わくに巻き樹脂で固めたもので、一様な強さ の磁束密度の円形の空隙に入るように作られてい る。コーン・スピーカーが登場した当初は磁界は 励磁コイルを用いて作られていたが、現在は高性 能の永久磁石が発達し、殆どがこれを用いている。 磁束密度は0.7-1.3wb/m^2(7000-13000ガウス) 程度である。コイルはヨークとポールピースの間 の狭い空隙の一様な磁束密度の中で、これらに触 れないで軸方向に動くことになる。コイルの両端 はコーン上に固定され、これと外部端子を接続す るためにうすい銅はくを糸に巻さつけたものを多 数より合わせたやわらかい線(錦糸線)がリード 線として用いられている。このリード線は、コー ンの振動を妨げず、また振動により断線してはならない。


●コーン・スピーカーの機械回路
 さて次にコーン・スピーカーの種々の物理的特 性について考えてみよう。まずコーンやコイルな どの振動系はいくらかの質量を有し、復元力のた めに弾性も存在している。即ちこの振動系は特定 の周波数において共振か現われる。スピー力ーの コーンは異なる周波数に対し常に同様の振動模様 を示すとは限らない。周波数か高くなるとコーン は分割を始め、ぞれぞれ位相を異に振動を行なう。 これは高次のモードか発生したことになり弦振動 で考えた事と全く同等である。即ち弦を一個の質 量とバネに置き換えて考えたとき、高い周波数の モードは表現不可能であった。コーン・スピー力 ーでは特定の中域の周波数区間においては、コー ン全体か分割することなく一様に振動する。即ち この区間においてのみコーン・スピー力ーは単一 共振系として解析かできる。高い周波数になると もはや集中定数とした単一共振系では表わし得ず 多くの複雑さを伴なってくる。しかし我々か必要 とする限りでは単一共振系としての解析で十分に 多くの考察か可能である。そこでここにおいては コーン・スピー力ーを単一共振系に集中定数化し て考える。即ちコーン・スピー力ーの機械回路は 図III-18のように与えられる。


●最低共振周波数
  コーン・スピーカーに表われる図III-18における 周波数はスピー力ーの特性を決定する重要なもの である。前に述ぺた単一共振系、そして図III-18 より共振周波数か次のように与えられる。
(式34)
は振動系に付属するすべての質量であり、sは スティフィネス即ち弾性の強さを示す。スピー カーの低音域の差異性限界は、このfoによって 決定される。そして、このf_{o}における共振の鋭 さはこの共振周波数付近の特性を決定する。さ らにスピーカーを取り付けるボックスはf_{o}を元 に設計をする必要がある。極論すれば、ボック スは低音域のみに必要であり、普通の密閉箱、 また位相反転バッフル、ホーン・バッフルなど の設計はf_{o}をもとに行う。


●電気系・機械系の対応と電気インピーダンス特性
  スピー力ーの駆動力に対する応答は図III-18により 明らかにされるが、電気系との関連を見るため にも電気ー機械系の対応を見る必要がある。図 III-19は電気系、即ちボイス・コイルの等価回路で あり、単にインダクタンスとボイス・コイルの直流 抵抗によって示される。このボイス・コイルは 磁界の中に置かれていて、コイルに電気信号が 流れる事により、フレミングの法則により力を 受ける。即ち機械系が電気信号に応じて動作する。 このとき電気系と機械系は図III-20のように変成器を 用いて表わせる。今ボイス・コイルに電圧 が加わり電流が流れたとすると、磁束密度B の中におかれた全長lのボイスコイルには電流に比例した、 力が働く。
=Bl(式35)
 即ち、この力が振動板を動かす駆動力である。 力と速度の比を機械インピーダンスと呼ぶが、 図III-18のコーン・スピーカーの機械インピーダンスは 次の値である。
(式36)
 またボイス・コイルのインピーダンスは次の通りである。
(式37)
振動系が速度Vで動くときの力は、ZmVである。 即ち35式のボイス・コイルの電流による力はこれに等しい。
(式38)
 次にボイス・コイルの端子に着目してみよう。 電気端子に加えられた電圧はコイル自身の電気 インピーダンスによってまず電圧降下Zeを生じ る。電流によって力を受けたボイス・コイルは動 き、その結果磁界内で動くこのコイル内には逆起 電力が発生する。即ち電圧はZeの電圧降下と 逆起電力との和に等しい。コイル導体の速度を とすると逆起電力はBlとなり。完結にするため BlをAと置くとコイル端子からみた電圧の関 係式は次のように与えられる。
(39式)
38式に注目すれば、式は次のように改められる。
(40式)
 即ち機械系の要素も40式には含まれており、こ れにより電気系、機械系の関係は同時に一つの電 気回路として表現される。図III‐21は図III‐20を等 価的に置き換えたものである。これにより中域以 下の周波数において電気インピーダンス特性は殆 ど完全に表現できる。図III‐22に示したのが電気イ ンビーダンス特性であり、一般に自由インピーダ ンスと言われるものである。機械系に共振か生じ ると最も振動速度が速くなる。ボイス・コイルに 生じる逆起電力は振動速度に比例し、共振時に 最も大きくなる。これは電気端子より加えた電流 を打ち消す方向に働く。即ちコイルに流れる電流 は減少し、見かけ上電気インピーダンスは増大す る。そこで共振時にインビーダンスは最も大きな 値を示す。特性に生じているピークはボイス・コ イルが動くために現われ、コイルが動かなければ 全く存在しない。今振動板を強く押さえて、振動 を起こさないように測定してみると図III‐22に示 した点線のような特性を示す。これはボイス・コ イル自身の電気インピーダンス特性であり、制動 インピーダンスと呼ばれる。そしてボイス・コイ ルが動くために生じるピークの部分を動インピー ダンスと呼ふ。40式より電気端子からみたインピ ーダンスは次のように与えられる。
(41式)
 即ち、これが自由インピーダンスであり、最初 の2項が制動インビータンス、最後の項が動イン ビーダンスである。41式を実際に周波数に対して 考慮してみると、その共振周波数は34式で与えた ものと若干異なつているが、その差は小さい。41式 を見ても動インピーダンスの分母の虚数部か0に なる周波数においてインビーダンスか大きくなる ことかわかる。





●コーン・スピーカーの音圧
 次に実際にコーン・スピー力ーから放射される 音について考えてみよう。今までの等価回路では 各要索を一つにまとめて表わしているが、現実に は振動か空気を動かすための付加質量や放射抵抗 も存在するが、実際に放射抵抗は極めて小さく、 前回路において付加質量は加え合わされたものと 考えて良い。これらの昔響インピーダンスを負荷 として音波を発生するが、振動板の微小面積より放 射される音を考え全面積について積分し、全体の 音圧を求めてみるとスビー力ーを円板と仮定して 中心軸上の任意の距離rの位置で次のようになる。
(42式)
 ρは音波を伝える媒質の密度であり、ここでは 空気の密度である。Sは振動板の面積、は振動 板の振動速度、fは振動周波数、ω=2πrであ る。たとえば直径20cmの振動板を持つコーン・ス ピーカーが変位振幅±0.1mmで正弦波振動をして いるものとしよう。このとき1000Hzにおける中 心軸上1m離れた点の音圧を計算してみる。振動 速度は||=ω×0.05、またρ=1.293*10^{-3}(g/cm^3) として42式に代入すると次のように与えられる。
(43式)
 前にも述べたように2×10^{-4}μbarを基準にとる と音圧レベル・SPLは次のように与えられる。
(44式)
 次に簡単な理論による音圧特性を書いてみよう。 スピーカーの駆動力を、振動系の全機械インピ ーダンスをZmとすれば、42式は振動板の半径を aとしS=πa^2として次のようになる。
(45式)
Zmは前にも述べたように単一共振系としてお り、Zm=rm+j(ωm-s/ω)である。このインピーダン スの虚数部、即ちリアクタンスの周波数特 性を図III‐23に示す質量によるリアクタンス成分 は周波数に比例し、コンプライアンス成分は逆比 例する。ぞして共振周波数におけるリアクタンス は0となり、機械抵抗のみか存在する。まずω<ω_{0} の共振周波数より低い帯域においてはコンプライ アンス成分か大きく、機械抵抗、質量成分を無視 するとZm≒S/jωと考えることかでき、45式は次のように なる。
(46式)
 駆動力はボイス・コイルを流れる電流に比例す るので、周波数に対して定電流を与えてやると一 定になる。即ち46式において変数となりうるもの は、いま周波数のみであって、共振周波数より低 い周波数範囲での音は、周波数の2乗に比例する。 次にω<ω_{0}の共振周波数より高い範囲では、Zm≒S/jω と考えることかでき、その結果45式は次の ようになる。
(47式)
 即ち周波数に関係する定数が全く存在せず、こ れはいかなる周波数に対しても一定の音圧を発生 することを意味する。これらの関係を図III‐24に示 す。47式によれば無限に周波数か高くなっても一 定の音圧か生じることになるか、用いた等価回路 か単一共振系であり、特定の周波数以上は適用し えない。また周波数か高くなると指向性も鋭くな り、軸上以外では音圧は図III‐24のように低下す る。共振周波数より低い帯城をその影響を及ぼす 要素により、弾性制御域、共振周波数を抵抗制御 城、また高い周波数域を質量制御城と一般に呼ぶ か、我々かスピー力ーを音の再生に用いている区 城は周波数に依存しない質量制御の部分である。 以上の結果は定電流という条件に基づいたもので あるが、最近のアンプは定電圧駆動に近い。この ような場合電気端子からみた全インピーダンスを Zとし、加える定電圧をとすることにより、45 式を次のように置きかえて考えることかできる。
(48式)



●指向特性
 いままで述べてきた音圧特性は、スピー力ーの 中心軸上1mの距離とした場合であり、余りに スピーカーに近づくと42式の関係は成立しなくな る。またその逆に遠く離れると、スピー力ーの回 リの障害物により反射した音も直接音と同時に聞 こえ、理論的値には一致しない。また中心軸上を はすれると音圧の値は異なってくる。このことは スピーカーが角度に対して特性か異なる指向特性 を有しているということである。振動板か平面の 円板であれば指向特性は比較的簡単に解くことが できる。ぞれは一般に指向性関数として定義され るが、それより求められる円板の指向性を例とし て図III−25に示す。図III‐25ではdを円板の直径、 λを音波の波長としており、完全に埋論的に求めら れたものである。周波数が高くなれぱなる程指向 性は鋭くなり、逆に極端に低い周波数では殆んど 指向性を有しない。これは密閉箱に取りつけられ たスピーカーの後方にいても低昔は良く聞こえる が高域の音は、はっきりしないということからも わかる。



●一般的コーン・スピーカーの特性
実際に測定した一般的なコーン・スピー力ーの 特性を観察してみよう。図III‐26に無響室において JlSボックスに取り付けて測定した軸上1mの点 における音圧周波数特性、30度、60度の指向周波数 特性、高調波歪特性、インピーダンス特性を示す か、用いたスピーカーは口径20cmのごく一般的な コーン・スピーカーである。このような特性の良 否判断は非常に難かしく,実際にすばらしい音を 発するスピーカーでも特性か良好であるとは限ら ない。最終的判断は人間の聴覚に頼らざるを得な く、物理的特性はその基礎データに他ならない。



●オーディオ用スピーカーの必要特牲
 このスピー力ーの章の目的はギター・アンプと 組み合わされている楽器用スピー力ーについて考 えてみる事である。そのためにここまでスピーカー の原埋や一般的コーン・スピーカーの特性など についてみてきた。そこでさらに楽器用スピー力 ーとしての特質をみるために、オーディオ用の八 イファイ再生に必要なスピーカーの性能について 全体的に考察してみよう。

a)出カ音圧レベル
 まず考えられるのは出力音圧レベルであり前述 した通りである。スピーカーに加えた電力はその 変換機構を通して音響出力を生じるが、加えられ た電力の大部分はボイス・コイルの抵抗や、振動 板の振動における摩擦などにより熱に消費されて しまう。目的とする音響出力と加えた電気入力と の比をスピー力ーの能率といっている。当然のご とくスピーカーの能率は大きい程良い。しかしコ ーンスピーカーの能率は非常に悪く数%以下であ る。現実的には音響出力の実用測定器はなく、電 気入カ1Wに対する軸上1mの音圧レベルを測定 することで代用されている。即ち前にも述べたよ うに基準値として1kHz、2×10^{-4}μbarを0dBと して測定され、スピーカーの実用範囲のいくつかの 周波数の平均値を取っている。例えば図III‐26の コーン・スピーカーでは、約90dBである。

b)最大入カ
 再生音の大きさを規定するものとして他に最大 入力、定格入カとがある。最大入力は瞬時の電気 入力に対してもスピーカーを破損しない最大入力 であり、種々の信号のピーク値や、パルス的信号 の最大入力である。これは最大許容入力、許容入 力などとも呼ばれておリ、すべてのスピー力ーに 表示されている。また連続的な電気入力信号を加 えても破損しない入カを定格入力(実効入力とも いい楽器用ではミュージック・パワーともいう。) という。定格入力を越えると歪も増し異常音を発 生して、さらには破損してしまう。一般の家庭に 用いられているブック・シェルフ型のスビー力一 では定格入力5W〜50Wくらいのものか多い。

c)高調波歪特性
 音質を決定しうる要索には、出力音圧周波数特 性、指向特性、過渡特性、歪特性なとかある。こ れらは過渡特性は別として、例に記しているが、 歪特性は高調波歪特性の一般的例を表わした。歪 は原音を不正確に再生してしまう要索となり、原 因としてスピー力一の非直線歪、ドップラー効果 といわれるものや、音場の不均一さによって生じ る変調歪、さらに希望としない、振動板の周辺や、 ボックス、支持物などが特定の周波数に共振して しまうためのビリつき、即ち異常音などが存在す る。非直線歪というのは、スピー力ーの振動板の 復元力や、磁界の不均一さにより駆動力に比例関 係が成立しなくなるため、即ち非直線性のために 発生する歪であって、加えた電気信号の周波数の 整数倍の高調波が生じてしまうものである。例に 示したのはこの高調波歪であり、第2,3高調波 である。ハイファイ再生においては約5%以上の 歪があるとその歪を検知できると言われている。 そこでより違和感を無くするためにも必要とされ る歪率は1%以下に目標を置かれている。このこ とは、高調波歪特性の音圧レベルか40dB以上の差 を持つ事か望ましいという事である。

d)変調歪
 変調歪は異なる2つの周波数f_{1},f_{2} (f_{1} < f_{2}) がスピー力ーに入力として加えられたときに、2 つの周波数、またはその借数の周波数との和や差 の周波数、即ちf_{1}+f_{2},f_{2}-f_{1},f_{2}+2f_{1},.... などの成分か混変調歪として現われるものである。 変調歪が大きければ、音に濁りを生じるなど原音 に対する思実度か薄れる。

e)音圧周波数特性
 音圧周波数特性は図III‐26にその一般的なものを 表わしたように、多くの山谷を有している。前に も述べたように、限られた物理特性によつてスピ ー力ーの良否を決定するのは不可能に近いが、多 くの実験結果によれば高度のハイファイ再生にお いては、できるだけ平坦な特性か望ましいとされ ている。図III‐27に周波数特性にどの程度の偏差が 生じたときに検知可能であるかを示した図を表わ す。この結果100Hz〜1000Hzの帯域内において 偏差幅を6dB以内に保った方が良いことがわかる。

f)指向特性
スピー力ーの音圧周波数特性は通常軸上1mに おいて測定されている。スピー力ー正面軸上が らのはずれ角度に対する音圧の変化を指向特性と 呼んでいる。図III‐26に示したのは角度を30度、60度の 一定にしておき各周波数に対じて測定じたもので ある。実際にステレオを設置して聴取する場合、 常にスピー力ーの前面で聞くとは限らない。そこ で理想的には、30度、60度方向の周波数特性が軸上 のものと一致した方が良いが、これは物埋的に不 可能である。図III‐28に指向特性の測り方、そして 図III‐29に任意のいくつかの周波数に対して測定し た全角度の指向特性の例を示す。





g)過渡特性
 過渡特性は入力信号の変化に対しスピーカーが どれだけ追従できうるかを示したものであるが、 その表示方法は定義されていない。スーピカーに 一定の正弦波を加え瞬時に切ったとさに出力が20 dB減衰する時間を用いて表わされる場合もある。 スピー力ーの過渡特性は出力音圧周波数特性と相 関関係にあると言われ、周波数特性が平坦であれ ば過渡特性も良好である。このような多くの特性 の考え方に対しまだ多くの問題が残されているの は事実である。他に方形波試験、パワーレスポン スと言われる試験方法も存在する。 また以上のほか位相特性に関しても考慮すべき 事柄が多分に存在していると思われる。


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