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音程・音階




●音楽を構成する音について ●等分平均律音階


●音楽を構成する音について

我々が日頃たしなんでいるロック、フォーク、ブルース、 またはジャズなどの音楽はある程度の規則に従って構成されている。 その規則に基づいて、音楽を記憶することができ、 また人から人へと直接に、または間接に伝える事ができる。
音楽において使用される音楽音は量子化されていて、 任意の離散的な周波数のみが存在するものである。
この言葉の意味は、たとえば2つの数字の間には無限の数が存在するが、 その中から特定のいくつかが任意に抽出されていると言う事である。 このことはピアノの鍵盤に相当し、 またギターのフレットに相当する。
他の楽器に関してもまったくそうであり、 このようにある特定の周波数のみが存在するのである。 しかし時には楽器としてウッド・ベースのように フレット・レスのものは特定の音だけでなく、 ポルタメント――可能な限りの連続な周波数変化――もできるものが存在する。


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●等分平均律音階

人間の可聴範囲に基づいて音楽に用いられる音を、 最も一般的方法で表示すると下のような図になる。 下の図に示した音の関係をC調(ハ調)等分平均律音階と称するが、 基本周波数C0が16、352Hzである。
わかりやすくA音を例にして考えてみると、A1の 周波数はA0の2倍、A2は A1の2倍となっている。
このように周波数が2倍になったとき、その関係を 1オクターブと言い、A0と A2では周波数は4倍となり2オクターブである。 下の図の等分平均律音階では10オクターブの音が表わされていて、 C10の周波数は、C0の 210倍となている。
また1オクターブ中には12個の音が含まれている。 即ち1オクターブが12区間の平均半音と言われるものに分割されていて、 その周波数比はいかなる音を基本として考えても下の表のようになる。
等分平均律音階における半音とは、相隣りあう周波数が 2の12乗根になっているものである。 即ち任意の音を基音にとりその周波数を、F0 とすると、それぞれの周波数はFnは 次の関係式を満たす。
( n=0, 1, 2……)
また一般に音楽では周波数ではなく、上の式の関係をさらに 細分したセントという言葉が用いられる。 セントは相隣りあう半音の周波数比が2の100乗根となるもので、 1オクターブは1200セントである。
例えば任意の基音の周波数F0に対する Fのセントはxは次のように求められる。
(セント)
等分平均音階における各音の各セントも上の表に、 基音を0セントとして示した。
このように音楽に用いられる音は規則に従っているのであり、 多くの楽器はこの規則を全て満足するように 制作されねばならないのである。
人間の感覚としてある音とある音を一緒に響かせた場合、 心地よい効果を生じる時と、不快な感情を与える事は 誰でも一度は感じた事があるはずである。 一般に1オクターブは心地よく感じる事が知られている。
弦振動は基本音の高調波、即ち倍音を生じ、 それらの周波数比は1、2、3、4 ……の比になっている。 この関係は基本音をC2とすると、 譜表上には下の図のように表わす事ができる。
上の図の一連の音はそれぞれ次のような周波数比から 成り立っている事がわかると思う。
それは、2:1、3:2、4:3、5:3、5:4、6:5、8:5などである。
オクターブが心地よく感じる事を述べたが、 他の音の組み合わせとして人間に快感を与えるのもとして、 その周波数比が上述のものであると一般に言われている。 これでわかるように、その周波数比がそれほど大きくない 整数比として表わされる合成音が心地よいのである。
当分平均律音階について述べてきたが、 この他に純正調音階と称せられる音階があり、 この音階は上記のような整数比の音だけが用いられている。
この意味から純正調音階と等分平均律音階とでは 明らかに周波数のずれがある。 和音を考えた場合に純正調音階の方が整数比となり 心地よい響きを与える。 しかしこれらは全く相反する事柄を有しているのであって、 等分平均律音階が上記したような簡単な規則で表現できるように、 種々の便利さも認めざるを得ないのである。 一般に和音が耳に心地よい場合、合成音は協和的、 逆に心地よくない場合、不協和であると名づけられる。 2音を合成すると、その周波数に応じ2合成音は うなり(ビート)を生じる。
音の協和を決定する要素は、滑らかさ、純度および混合であり、 滑らかさはビートの激しさにより決定されうるものである。 即ちビートの数は周波数の差だけに依存するために、 前記のようにその周波数比が何れも大きくない ものの方が協和的なのである。
種々の音程比に対する協和――不協和特性を下の図に示す。
この関係に基づいて音楽における和音は合成されるものである。 和音は3、4、5、6あるいは7個の音を 同時に鳴らした組み合わせからなり、 それらは互いに和音関係を保っている 1組の音からできている。
たとえば3つの音からなる3和音では次のように 長、短、増、および減と分類される。 C音を基音とすると長3和音はC-E-Gであり、 短3和音はC-E♭-G、減3和音はC-E♭-G♭、 増3和音はC-E-G♯である。特にC-E-Gを Cメージャー、C-E♭-GをCマイナーと呼ぶ。
以上のように音楽に用いられる音には規則性があり、 音楽における調和(ハーモニー)は同時に響く音、 即ち和音に密接な関係している。 ハーモニーは音楽として不可欠な要素であるが、 そのためにも協和音、不協和音の吟味は 十分に行われなければならない。 しかし人間の思想が世相によって変化するように、 ハーモニーの法則は実験的および 主観的方法により導かれるべきものであり、 各時代の感覚に対するような新しい 規則も生じてくるのである。

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