正しくはビブラート・アーム(レバー)と言い、
弦のテンションを変え、ピッチを変化させる機構である。
トレモロ・アームの構造は下のように多くの種類があるが、
弦のテンションをバネの弾性でつりあいをとり、
アームによりそのつりあいをくずしテンションを
変化させる方式が一般的である。
この様なシステムで問題となるのはチューニングの狂いが生じやすい点である。
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チューニングの狂いは、弦の伸び、摩擦抵抗、アームが完全に復帰しない
などの原因によるものである。
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チューニングの狂い
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新しい弦の場合に起きやすく、弦のチューニング有効長、
つまり糸巻きからテールピースまでの弦長が長い場合や、
チューニング・マシンに弦を長く巻きつけた場合が多い。
このため、弦を引っ張り先に狂いを出してからチューニングしたり、
チューニング・マシンに弦を適度に巻くことで、ある程度解決することができる。
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ナット、駒での摩擦抵抗が多い場合
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当然、この部分のすべりをスムーズにすれば良い。
たとえば、駒、テールピース、(トレモロ機構の弦固定部分)間、
ナット、チューニング・マシン間の弦の角度を少なくしたり、
弦につれて駒、ブリッジが前後に移動できる構造の採用。
ナット、駒の溝を滑りやすくする工夫をすれば良い。
しかし、弦の角度を変えるとサスティン・タイムや
フィンガー・タッチなどに影響が出てしまう。
フェンダー・ストラトキャスターに採用される
"シンクロナイズ・トレモロ"のようにブリッジ、テールピースが一体化され、
全体が動くようになっているものはブリッジ、
テールピースの間での狂いは発生しにくい。
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トレモロ・アームが完全に復帰しない原因
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トレモロ機構の可動部分の抵抗が大きかったり、
バネの復元力が不十分なことが上げられる。
バネの復元力を良くするには良質のバネを用い
バネ長を長くしたり、複数本のバネを使用することが望ましい。
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